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とても良い

非常に音響にこだわった作品という印象。環境音や生活音、主人公の息遣いまでしっかり聴かせてくるので臨場感が際立ち、ドビュッシーと供に彼女の静かな生活の中にすっと意識が溶け込んでいくよう。要所で使われるピアノは彼女のまだまっさらな白さと素朴な感情を感じさせます。そして、静かな”何もない”日が終わり、カブのある新しい日の始まりと共に一転して賑やかで明るいバンドサウンドが流れるのも彼女の心の高揚感を感じさせて印象的でした。

主人公は大人しい性格で感情表現は控えめなのだけど、その分ため息などの仕草や小さな表情の変化、疲れ果てて玄関で寝ちゃう等の振る舞いに感情が滲み出ていて見入ってしまいます。何度もカブの姿を眺めてはニンマリする姿はわかるーって感じで好きでした。

そういえばカブって、キックスタートしか無かったり、ヘルメット入れるスペースが無い、座席開けないとガソリン残量が分からない等々、普通の原付と比べるとなかなか不便なんですねえ。セルでかからない時にしか使わないからかキックスタートでエンジンかかると嬉しかった記憶。



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