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 侍従長の性格が掴めず、考えていました。有能なのか、無能なのか。原稿を任される程の女王の信任は、たやすく政治を壟断できる地位でしょう。にもかかわらず、人物が薄いと感じて腑に落ちませんでした。長くそのような地位にあった人物は(女王のお互いに歳をとったという発言から昔からの付き合いと見ます)、それこそノルマンディー公にならびたつような人物でなければおかしいのではないか、と。
 その割には追い詰められてきて焦ったり、気がつかれなかったものの最後夜に抜け出すときには切羽詰まった様子を露わにしたり、どこか普通の人という印象がついてまわっていて(本人の認識としても確かそうでした)、その地位と人物の差に違和感がありました。ともすれば命を賭すほどに侍従長として職務へ強い矜持を持っている、というわけでもまたなく(もしそうならスパイのようなことはしないでしょう)。
 考えて、スパイだったからこそ女王の黒子に徹する理想的な侍従長だったのかもしれないと思いました。スパイと気づかれないために理想的な侍従長を演じ、結果女王からも信任され、長らくノルマンディー公をも欺きえたのではないでしょうか。そう考えると彼はスパイとしてもまた有能なスパイ アンジェに教授するほどに理想的だった、といえるのかもしれません。
 ビショップはシャーロットとプリンセスに嘘をつき続けた一つの結末とさびしさを残して退場しました。掴み難いながら興味をひかれるキャラクターでした。

追記 アンジェの「さびしい」よかったです



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