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とても良い

核心は言葉にせず何度も遠回りをして関係の崩壊にまで至りかけた彼、彼女らがようやく見つけた帰結点に思わず感慨深い気持ちになってしまう

本当の願いを隠して比企谷と雪乃の後押しを続けた結衣の献身が胸に刺さる
「本当に終わりなら私のお願いちゃんと言うから」。この言葉は考えれば考えるほど重い。これは比企谷の願いを引き出す為の言葉だね
これまでは奉仕部の終わりが三人の終わりだった。それ程までに曖昧な集いの三人は核心を避けて言葉の定義を避け、そして共依存と呼ばれるまでになった

けれど比企谷は奉仕部そのものは終わらせても雪乃との関わりを辞めようとは思わない。
比企谷が認められないという未来、そこに結衣は優先した形で含まれない
比企谷は奉仕部よりも結衣よりも雪乃を選んだ。しかもこれまでよりも「気持ち」をはっきりさせた形で

三人の関係が終わってしまうなら結衣が隠し続けた本物の願いを口に出来る隙は有ったのかもしれない
けれど比企谷は別の願いを口に出した。結衣が選ばれる瞬間なんて過ぎていた
「お前はそれを待たなくていい」「何それ、待たないよ」。この遣り取りはやはり核心を言葉にしないけど、伝えるべき想いは悲しい程に伝わっている

そして、まさかダミープロムをここで再燃させるとは…
恐ろしいのはこの影響がでか過ぎる提案は比企谷が言うように雪乃を挑発する為の理由でしかない点
本来、プロムを雪乃の力でやり遂げれば共依存は打破したと見做され、同時に雪乃が奉仕部に残る理由を消滅させる筈だった
それを比企谷は再びプロムをぶち上げて終わる理由を無くしたのである
本当に恐ろしい……

いわばこれは比企谷による回りくどい告白。陽乃と雪ノ下母には伝わったらしきそれは雪乃には完全には伝わらず、彼女も伝わったと示さない。だから言葉以上の行動が必要になる。
雪乃が比企谷の袖を掴んだ時は言葉は生まれず、指は解かれた
比企谷は雪乃の手を掴み、足りぬならと更に言葉を畳み掛けた。どこまでも伝わるように

二人の遣り取りは肝心の言葉は口にしないし、回りくどいし面倒くさい。
一言程度では伝わらない互いの想い。それでも触れ合った事で得られた熱が互いの想いを伝えあい、伝わり合ったと認識出来たのだと判るラスト。青春を間違え続けた彼、彼女らがようやく此処まで辿り着けたのだと思うと本当に感慨深い



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