……大切なものを守るのと引き換えに僕は、僕の未来を売り払ったんだ。
良家の子女のみが通うことを許される女学校。
父親と「契約」を交わしたイザベラ・ヨークにとって、
白椿が咲き誇る美しいこの場所は牢獄そのもので……。
未来への希望や期待を失っていたイザベラの前に現れたのは、
教育係として雇われたヴァイオレット・エヴァーガーデンだった
時間経過も含め、膨らむ思いを描き上げた、映画ならではの2部構成の壮大な姉妹愛の物語。最高でした。
前半はエイミーの物語。テイラーの身を守るため、自ら養子となったエイミー。ただ束縛と嫌い、打ち解けようとしない彼女の下に現れたヴァイオレット。彼女がエイミーの友達となることで、心を開いていったエイミーの様子は見て居て微笑ましい。そして、別れの前に手紙をしたためた手紙。その手紙を懸け橋としてテイラーの物語に繋がるといった展開。
成長したテイラーは届いたエイミーそしてヴァイオレットの手紙を基に郵便会社まで尋ねる。字も読めず、地理に明るくなく、そして幼い。そんな彼女を、温かく迎えたヴァイオレットに母性たるや…といった感じだし、過去のヴァイオレットの姿に重ね、一緒にいること、働くことを許可する郵便会社の面々も温かい。特にヴェネディクトはテイラーに手紙を届け、のちにエイミーを探し当てた立役者。その活躍たるや、カッコ良すぎでした。
そして、テイラーの手紙が届いたシーン。ほとんど忘れていると思われていたテイラーの記憶から呼び起こされるエイミーと過ごした記憶。零れる涙には思わずもらい泣きする一方、一人前の配達員になるまで会わないと決意するテイラー。この辺はエイミー譲りの頑固さも感じるなぁ。
エイミーとテイラーが再会することがあったら、その場面を見てみたいなぁと。そんな情景を思い浮かべながら…(*´ω`)
本編始まる前のロゴから泣いた映画は初めてですが、とにかく何度も観ました。空と海の青色がすごく印象に残っています。上質な百合だと誰かが言ってたけど、本当に触れちゃいけないくらい尊い関係だと。
【★★★★★】💿
・とある永遠の絆で結ばれた姉妹のお話→まさかの二部構成にビックリ!
前情報を調べずに観ていたので、イザベラの話が終盤を迎えた時には『残りの時間どうするの!?』と慌ててしまいました。
すると後半はテイラーのエピソードが始まり、嬉しいサプライズにホッとしました。
・イザベラの孤独→世界は厳しくもあり、やさしかった
テイラーと引き離され、無理やり政略結婚させられる運命にあるイザベラ。
しかしヴァイオレットという友人ができ、さらに学園の中にも気にかけてくれている同級生がいた。
何より大切な妹が今もイザベラのことを想ってくれているのですから、世界は厳しくありながらも、やはりやさしいですね。
・テイラーの無邪気さ→悠木碧女史の名演技に何度泣かされたことか
『ねぇねぇ』と泣き叫ぶシーンはあまりの悲痛さに胸が苦しくなりました。
悠木碧女史の演技がすばらしく、テイラーというキャラの魅力を何倍にも高めていたと思います。
僕ッ娘のエイミーはイザベラとして淑女へ、わんぱく娘のテイラーはそのままに分かれたままで成長してヴァイオレットの手紙を基に再び繋がる。泣く事は無かったが京アニ特有の映像美と素晴らしい音楽と、良く練られたストーリー及びキャラクターでやはり感動してしまった。
映像と音楽がぶっちぎりでいい。これだけで観る価値ある。誰も死ななかったので思ったより感動しなかった。