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とても良い

冒頭回想のエリシオの言葉「本当にバラバラの生き物がつながる世界が作れるというのなら、見てみたいものです」というのは、エリシオが全体主義(ナチズムに近い)を志向してたってことだなと。つまり、プリキュアと敵の戦いは、民主主義(多様性)と全体主義の戦いだったと。

最終回も見事な収束プロット。長老の体を元に戻す戦いを作ることで、次期プリキュアへのバトンタッチと、ペコリン達妖精の自立(いちご坂の守護者交代)の両方をやってのけるとは。
そして、「好き」の先にある自己実現のための葛藤をいちかに託すことで提示し、いちかの背中を皆で押すという、まさに多様性から成る共生社会への指向性が体現されていたと言うと大袈裟だけど、夢が単に薄っぺらい憧れではなくて、キラパティの仲間と過ごす中でそれぞれが培って得た目標となっているのが、いいなぁと。

今シリーズは、それぞれのプリキュアや妖精が、自己形成を遂げて夢を目標にする物語だったと思うけど、丁寧に段階を重ねるプロセスもよかった。敵側は、陰湿に心の弱みを突いてくる攻撃パターンが特徴だったけれど、ラスボスには全体主義思想的なイデオロギーがあって、プリキュア側の人それぞれの「好き」を尊重する姿勢が対比的に強調されていたのが印象深い。以前からある傾向だけど、教条的に寄りすぎているきらいもあるので、もう少し崩してもいいのではと思ったりもする。



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