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とても良い

作り手が描きたい人間ドラマ(AIドラマ)は明確でGOOD。
『AIと人類が対立するまでの100年の歴史を改変する旅』を描くというのも目新しいストーリーで、今後の展開が楽しみ。

今の所、マツモト(熊のぬいぐるみ)は、ちょっと胡散臭い感じがする。
ここまでの言動から考えて『Vivy(AI)をどんどん人間に近づける』ことが目的なんだろうなという印象。

そもそも、100年後のマツモト(人間)が名付けたプロジェクト名が 『Singularity』なので
その目的は、『AIと人類の戦争を回避する』というより、
『シンギュラリティを実現して、Vivyを人を越える良き存在にする(結果的に、戦争を回避する)』ことが目的と考える方がしっくりくる。

そう考えると、
シンギュラリティを実現できなかった世界が、もともとの100年後、で、
シンギュラリティを実現する世界が、今作品で描かれる、ってことかな。

とすると、これからのエピソードでは、
作り手が考える
『AIがシンギュラリティを実現するにあたって必要となる善悪の判断が微妙なケースについての話』
が各エピソードで語られる感じになるのだろうか。
そう考えると、今回のラストは
まさに『トロッコ問題』の話だよなぁと。

作風は全く異なるものの、野崎まどの作品と似た感じ(哲学的問題を取り扱う作品)になりそう。

視聴者層の関係(ビジネス上の制約)で、あまり込み入った話になるとは思えないけど、
『どれくらい攻めた哲学的テーマを持ってくるか』
という点でも個人的には要注目で、二重に楽しみではある。

最近のトレンドとして、
『主人公サイドは良いことをしているように見えたけど、実は…』
という展開が少なくない印象なのだけれど、
この作品ではどう転ぶだろうか。

AIは『1つの使命を実行する』というルールがあるので熊のぬいぐるみは、Vivyの味方と見てよいのだろうか。
だとすると、最後には自己犠牲の展開がきたりするのかな。

あまり見慣れないルールなのだけど、もしかすると、この設定

『ロボット三原則とは違うルールを基底条件に備えた』世界線(※もともとの戦争が起きる100年後)

を描くという目的で設けられたものだろうか、だとすると、かなり練り上げられている可能性が高く、今後が楽しみ。

・・・

以下、作品の評価とはあまり関係ない小話。

SFの背景設定(小物の設定)が、現代科学の知識をベースに0から組み上げた感じではなく、種々の作品から適度に拝借、論理的齟齬があまり目立たないように組み立てたのかな、と思わせる感じなのがSF作品としては惜しい。
もしかすると、ちゃんと意味があるのかもしれないけど…、今の所、『作り手の趣味かな…』と思わせる要素が画面内に少なくない印象を受ける。



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