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とても良い

チセの母親もスレイベガに近い人だったのか。
父親も何らかの力を持っていたようだけど、心がもたなくて逃げてしまった。
特殊な呪われた家族のようだけど、このような悲しい関係性に陥る貧困家庭は存在する。
チセはこれまで様々な者達と関わってきたおかげで、最もつらい記憶との折り合いをつけられた。折り合いであって決別でも解決でもない。聖書に"forgive and forget"の一節がある。チセは母を許さないし忘れもしないと言った。それほどに許すことも忘れることも永遠に等しいほど果てしない人の課題なのだろうと思う。チセが母を忘れまいとする心は不寛容ではなく、母もまた苦しんでいたことを理解しようとする優しさなのかもしれない。
カルタフィルスも相当に業が深いのだろう。チセもここまで踏み込まれた以上は、相応に彼に踏み込むことを決めた。それが必然であるほどに因果が繋がってしまった。



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