・ゆるふわ部活アニメ『けいおん』を作った京アニが、部員たちがリアルにぶつかり合う吹奏楽部を描く!
・吹奏楽部だからこそ多い登場人物→中には存在意義が微妙なキャラも……→それでも副顧問である松本先生が最後に見せた表情など、見どころがあるキャラも
・語られないエピソードや、まだ明かされないキャラの秘密→それは二期で? 私達の音楽は続くのです!
夢想家でありたい、そしてそうあるための努力は美しいと思わせてくれる名作でした。
また、一つ一つの描写にわざとらしさが薄く、リアリティがあって作品にグイグイ引き込まれました。特にオーディション前の変な緊張感のある空気の作り方が本当に素晴らしかったです。
当然作画や演出も見事でした。第八回の麗奈が美しすぎて鳥肌モノでした。
ここからは気になったキャラクターとして、
まずは麗奈とあすか先輩。性格や振る舞いは違えど2人ともカリスマ性があり、そのカリスマ性を裏付けるような努力量と才能を持ち合わせたカッコイイ人物だと感じました。
次に主人公の久美子。この子は部活モノの主人公にしては技術も性格も経験も普通だなという印象でしたが、話が進みコンクールが近づくにつれて「上手くなりたい」とどんどん吹奏楽に大して本気になっていく姿は応援せずにはいられませんでした。
男性陣からは滝先生。彼はとにかく有能ですね。しかもイケメン。最初はバラバラだった吹奏楽部を自らが"敵"になることで団結させ、その後もなんだかんだでしっかり部員を納得させた上で指導する。そして何より殆ど感情的にならない。こんな大人は滅多にいないと思いました笑
最後に夏紀先輩。個人的にはこの子が理想の先輩であると感じました。確かに序盤はやる気のない感じであまり良い印象はありませんでしたが、雰囲気に流されただけとは言いつつも努力する時はしっかり努力し、その結果後輩に負けたとしてもその事実をしっかり受け止め応援できる本当に良い子だと思いました。つねに飄々とした表情を見せていたのも魅力的でした。一緒にお酒飲みに行きたいですね笑
お話自体は特別なものではないが、見せ方がすごくうまいのでついつい引きこまれてしまう
いい作品です
部活の負の部分が強調されている、と感じた。上手くなりたいと叫ぶ主人公が印象的だった
キャラクターの内面が皆複雑。マリーっぽいというか、吹奏楽部の異常さが色濃く描かれていて異空間青春ドラマ的になってる。いいぞ
2015年おそらく最もSNSで盛り上がった青春音楽アニメの傑作。刺激的な演出が後の作品に与えた影響も大きいと思われる京アニの看板タイトル。アニメ史においても稀少な原作とアニメの幸福な関係を体現した作品でもあるが、原作のポテンシャルを大きく膨らませた1期の功績は計り知れない。
2015年、『SHIROBAKO』ロスに悲しむ多くのアニメファンを救ったことでも記憶に刻まれる作品。
原作、アニメともに素晴らしい作品だが、特にこの1期アニメにおける原作が持つポテンシャルを大きく膨らませた京アニによる梃入れとヒロイン・黄前久美子のキャラ造形は、その後豊かな広がりを見せるユーフォシリーズにおいての全ての始まり、といってもよいぐらい大きなものであったのではないだろうか。オーディションの時から、自らの演技プランで制作陣を納得させてしまった久美子役、声優・黒沢ともよの功績にも計り知れないものがあるだろう。
『響け!ユーフォニアム』(以下ユーフォ)では宇治の街並みや学校での日常風景、吹部の生徒達が手にするリアルな楽器、リアルな演奏姿……などが京アニの恐るべきハイレベルな作画によってこれ以上ない素晴らしいクオリティで再現されており、そこでキャラクター達がしっかり生き音楽に情熱を傾けているのだ、と確かに感じられるリアリティある作品世界の説得力は十分高く評価できるものであると思う。
また、詳しい言及は避けるが、映像の質感やモブへの異常なこだわりはさながらアニメが実写的表現を手にした、と思える驚きもありそこも大きな評価ポイント。
ジャンル的には学園青春音楽アニメということで斬新さにはやや欠けることにはなるのだろうが、その中でも、序盤の部内における不穏で倦怠した部活動あるある的雰囲気には意外性と刺激が感じられ、そこも強く印象に残っている。
この作品の凄さのひとつは、脚本で読めばおそらくたいして面白い内容でもない、日常のなんでもない出来事を綴っただけのようなものが、演出の力によって何度も見返したくなるような魅力的な映像に仕上がっているところにある(裏を返せば、ストーリーの力に頼らない話の作り方がそのような映像を作り出すのだ、と)。
特に、登場人物達の無意識(や生理的反応に基づく行動)を画面に刻みつけた手腕はまさに演出(と作画)に拠るところが大きく、この点に関しては、アニメ史においても白眉なものであるのではないだろうか。
シナリオ的に計算されて理にかなった行動、というよりは、キャラ達が無意識にそのような行動を起こしている、のが感じられるのである。その無意識の行動が複数のキャラ間で掛け合わさることで生まれる予想外、かつ有無を言わさないような説得力とダイナミズムを持った刺激的な映像が心に斬り込んでくる、そんな感じだ。
原作1巻のアニメ化、しかし原作1巻とは明確に違う。
原作1巻はもっと清廉で澄んでいる。
アニメ版は不穏やリアリティが増されていて其れは其れで、良い。
アニメの終盤、久美子が走る。巧くなりたいと吠える。あの久美子は、原作には居ない久美子。
正確には原作3巻で近似の熱量を持つようになるが、原作1巻本来の久美子とは大分変わってしまった。
それが良い悪いではなく、アニメーションの魅せ方に対応した処置だったのだろうと思う。